地元の酒蔵、富久駒の「酒蔵開放」





3月2日に地元、富久駒の「酒蔵開放」が実施された。いつもは硬く閉じられている道路に面した鉄の門塀が今日ばかりは大きく開け放たれ、酒蔵と酒蔵の間に隙間なくテントが張られている。その中では左側にお酒や地元産品の即売コーナーが、右側には手打ちそばコーナー、まぐろ解体コーナー、海産品即売コーナー、蛸の唐揚げコーナー、マグロのほほ肉の串焼きコーナー、ごんぼ汁コーナー、豆腐ドーナッツコーナー、お酒飲み比べコーナー、甘酒コーナーがある。蔵の中では、利き酒コーナー、蔵元の酒の紹介コーナー、絞りたてお酒の瓶詰めコーナーがある。酒蔵案内はこの日3回行われる予定。
まずテントに入って美味しい手打ちそばを食べる。このそばは丸岡産のそば粉を使って打たれたもので、丸岡手打ちそば愛好会の手によるもの。そばうち名人になりそこねたという、歯医者さんの見事な打ち回しを見学したあと、いただくのもおつなもの。この手打ちそばは300円。打ちたてのそばの新鮮な風味、こしもあり、大根おろしの程よい辛みがマッチしてとても美味しい。今日は器も陶器で、ちゃんとした店で食べれば、550円と言われても通用する代物だ。
次は飲み比べコーナーに直行して、百円払って鬼作左を小さいポリコップでいただく。また、お金を出してあら絞りのお酒を試飲。だけどなぜか皆は試飲券を出して試飲している。よく見ると受付で貰った封筒から試飲券を取り出している様子。急いで受付を済ませて、つまみに蛸の唐揚げを購入して、さらに試飲する。う〜ん、ただはいい、最高、堪らない!生きていることの有り難みをつくづく感じる一瞬なのだ。
そうこうしているうちに午前11時半になり本日2回目の酒蔵見学開始のアナウンス。見学者は行儀よく二列に並んでまずは商標の説明、代々の総理大臣の「國酒」と記載した色紙を仰ぎ見る。
この後は、社長を先頭にして蔵の中を回りながら、どのようにお酒が作られているかを分かり易く解説して貰う。杜氏を始めとした酒職人が昔ながらの酒造りの伝統、しきたりに新しい技術や手法を上手く調和させて、大事に酒造りされている様がひしひしと伝わってくるのだ。
また、蔵の中では、絞りたてのお酒を目の前で瓶詰めして、自分で記したラベルを貼ってくれるサービスをしており、「自分だけの新鮮な酒」という感じがするのが人気の秘訣なんだろう、次から次へとお客さんがくる盛況ぶり。
しばらくして、マグロの解体ショーのアナウンス。一斉にお客がマグロの解体コーナーに移動し、押すな押すなの人だかり。異様な熱気のなか昨年を15Kg上回る、75Kgのマグロが、鮮やかな包丁さばきで次々と解体される。マグロの赤みの自然な色に感嘆し、柵取りを1パック購入する。他の人も次から次へと手を挙げて買い求めている。
このあと私は吟醸の甘酒と大吟醸の甘酒をおわんに1杯ずついただく。大吟醸の甘酒は、流石に酒粕がモチモチ、言うなれば、薄目のお粥のような感じで非常に美味しいのだ。こんなに美味しい甘酒ってあるんだと言う感じ。無性に清酒が飲みたくなり、利き酒コーナーが店じまいしようとしていたところをお邪魔して、飲み比べさせてもらう。
最後は豆腐のドーナツと残り3本となった袋しぼりの「鬼作左」を購入し富久駒を出て、ほろ酔い加減で家路につく。
今回の企画、新聞でも紹介され、地元の方、新聞記事を読まれて来られた方々だけでなく、芦原温泉の宿泊客も観光地の1つとして大勢お出でになられていた。酒造りの現場を体感し、美味しい食べ物、お酒に舌鼓を打ちながら、そば打ちの実演、マグロの解体等を見学できて内容の濃い企画になっていたと思う。
さて、この酒蔵は、宝暦3年(1753年)、現在地で初代久保田喜兵衛により創業され、「富久駒」と命名されて、長くこの地域で「馬の酒」と呼ばれて愛されてきた。社長は、地元の特産品とコンビにした商品開発やイベントの企画を手がけており、地元の観光振興や地域のお役に立ちながら頑張っていきたいとの抱負を語ってくれている。坂井地区では、自醸の酒蔵はここだけになってしまったとのこと。地産地消の一環からも、地元の水、地元の酒米で作られたお酒を大事にしていきたいと思う。
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